2007年4月1日より小売業及び卸売業においても商標登録が可能になりました

従来、小売業や卸売業におけるサービス活動は商品を販売するための付随的な役務であることや、当該サービス活動に対して直接的な対価の支払が行われていないという理由から、小売業や卸売業におけるサービス活動に使用される商標は登録することができませんでした。しかし、近年の流通業の発展や国際的な機運の高まりから、小売業や卸売業によるサービス活動に使用される商標の重要性が増し、2007年4月1日より小売業及び卸売業においても商標登録が可能になりました。
FAQ
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小売業の具体例について教えてください。 |
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小売業には、百貨店、コンビニ、スーパー、ドラッグストア、家電量販店などの総合小売店、めがね専門店、靴屋、本屋、八百屋などの専門小売店などが挙げられます。また、カタログの郵便による注文販売、TVショッピング、ウェブサイトなどの電子メディアでの小売も含まれます。 |
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小売業・卸売業における商標とは具体的にはどのようなものですか? |
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小売業・卸売業におけるサービス活動の一環として、例えば下記のようなものに表示される商標が挙げられます。 1) 店舗看板や広告看板 2) 店員の制服、ワッペン、レジ、値札、チラシ 3) のぼり、アドバルーン表示、名刺、案内板 4) 陳列棚や販売コーナー 5) スーパーの包装紙、レジ袋、買い物袋 6) ショッピングカート、かご 7) 福袋、詰め合わせセット 8) インターネット |
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現在、衣料品店を経営していますが、商標登録にあたってどのような点に注意すればいいですか? |
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御社が、商標を店舗の看板や制服などについて使用している場合には、今回の商標法改正により可能となった「被服に係る小売等」の役務を指定して商標登録することになります。一方、御社が、プライベートブランドのように特定商品に商標を使用している場合には、従来より可能であった商品「被服」を指定して商標登録することになります。もちろん、商品および役務の両方を指定して出願する必要がある場合もあります。御社の商標をどのように使用しているかを十分検討する必要があります。 |
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以前から店舗看板やチラシなどに商標を使用しているのですが、商標登録しないと今後は使用できなくなるのでしょうか? |
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法律の施行前(2007年4月1日)から日本国内において不正競争の目的なく商標を使用している場合には、商標登録されなくても原則として当該商標の使用を継続することができます(これを継続的使用権といいます)。但し、商標登録されない場合には下記のデメリットがありますので、商標登録されるのがベストと言えるでしょう。 1.原則として、法律の施行時(2007年4月1日)に商標を使用して小売業や卸売業を行っている地域的範囲に使用が限定されます。例えば、法律の施行時には大阪でのみ営業を行っている場合、その他の地域(例えば東京)にも進出しようとする場合に他社の商標権を侵害する可能性が生じます。 2.商標権者である他社から、御社の商標において混同を防ぐのに適当な表示(自己の商号や営業地)を併記することを請求されるおそれがあります。 3.事実上の効果として、商標権を取得した他社が正当な者であるかのような印象を需要者に与えるおそれがあります。 |
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2007年4月1日から施行ということですが、やはり商標登録は早い者勝ちでしょうか? |
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2007年4月1日から3ヶ月間にされた出願については、同日に出願されたものとして審査されます。しかし、当該期間以降は先に出願した方が優先して商標登録されることになりますのでご注意下さい。 |
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2007年4月1日から3ヶ月間において弊社と他社が同一の商標を出願した場合はどうなりますか? | |||||||||||||||||||||||||
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これについては様々なパターンがあるのですが、例えば御社の商標が未周知(広く知られていない状態)であって、かつ既に使用している場合、未使用の他社の商標に対しては優先して単独登録されますが、御社と同様に未周知・使用の商標に対しては重複登録されます。詳しくは下記表をご参照下さい。
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